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キスフレ

第1章 キスフレ

 あれから15年が経ち、俺は32歳になった。今は家を出て、東京で暮らしている。


『もう光樹ったら、いつまで独身でいるのよ。好きな人はいないの? 早く孫が欲しいわ』


 電話がかかってくるのは、そんなことばかり言う母親だけ。


「好きな人か……」


 俺はあいつのことを思い出した。あいつとのキスの味――ミント味は忘れていない。


「キスしたいな……」


 俺は当時苦手だったミント味の飴を口に放り込んだ。スーッとした爽やかな味と、あいつの舌の感触を思い出しながら、自慰をする。


 その時、カチャリとドアが開いた。自慰する俺の隣に近づいてきて、女は俺の首に手を回す。
 

「光樹、キスしよ」


 彼女は舌を絡ませて、俺を求めてきた。
 キスも、キス以上も―――。


 俺は今、幸せだ。




【おわり】


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