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白いスニーカー

第1章 白いスニーカー

 初めて見た時は、まだ真新しいスニーカーだった。学校指定なのか、白のスニーカーを履いた彼女は俺の座席の前に立っていた。


❋❋❋


 電車通勤をしていると、乗車している客の顔が馴染みのある顔になってくる。田舎の小さな町だから車両も少ないし、女子専用車両もない。朝や夕方はそれなりに混むが、それ以外の時間は人は少なかった。

 俺が乗る時間の電車は空いている。だから毎日同じ場所に座ることができる。俺の特等席は端っこの席で、二人しか座れない席だ。だからか、女性が俺の隣に座ってくることはない。座るのは俺とそう年齢が変わらないおっさんか、もっと上のジジイだ。

 いつもは寝て過ごしていた。でも今日はなんだか騒がしい。それに真新しい匂いがする。

(そうか……今日は入学式か)

 帰りの電車は学生で混んでいた。ちょうど入学式が終わって、学生たちが帰宅する時間にぶち当たってしまったようだ。

 車内は学生たちのはしゃぐ声で騒がしかった。これでは昼寝はできないなと思っていると、ふと自分の足元に白いスニーカーを履いている足が見えた。



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