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白いスニーカー

第1章 白いスニーカー

 俺の座席の前に女子高校生が立っていた。汚れのない真っ白なスニーカーに黒のソックスを履いていて、今どきにしては珍しい膝下までのスカートを履いていた。

 とりあえず寝ているふりをしながら、そこまで確認した。俺の座席の前に女子高校生が立つなんて初めてだから戸惑う。

 女子高校生は俺よりも先に降りていった。電車の窓からチラッと見ると、真新しいブレザーを着て、リュックを背負って、ポニーテールを揺らしながら颯爽と歩いていく姿が見えた。

 それから毎日、俺はその女子高校生の姿を見るようになった。特等席に座っていると、彼女は俺の座席の前に立つようになった。そこが彼女の定位置になったらしい。彼女はつり革を握りながら、文庫本を読んでいる。タイトルは「初夏、君と汗を流して」。

(ああ、それ……少し読んだことがあるな。たしか、内気な女の子が思い切ってバドミントン部に入って、仲間と青春を送る話だったような気がする)

 彼女も内気な女の子なのだろうか? これからバドミントン部に入ろうとしているのだろうか? もし部活に入ったら、もうこの時間の電車には乗らないだろうな……。


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