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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第8章 助けて

夜9時過ぎに刹那は目を覚ました。

顔を動かして隣でスマホを操作している星野莉子の存在に気がついた。

「……星野?」

莉子は呼びかけられてハッと顔を上げる。

「白瀬くん、大丈夫?」

体を起こそうとした刹那の額から簡易氷嚢が転げ落ちた。

「少し楽になった」

「そう、良かった」

ベッドから起きあがろうとする彼を莉子は制した。

「まだ寝てなくちゃダメよ」

「……トイレ」

「あー、いってらっしゃい」

ふらふらとした足取りでトイレに向かう。

戻ってくると辛そうにベッドに横になった。

「ポカリ飲む?」

「うん」

グラスにポカリを注いでストローを差して彼の元に届ける。

少しだけ体を起こしてストローを口に含み全て飲み干していた。

目を閉じて静かにしている彼の額に氷嚢を乗せてあげた。

「ありがとう」

「気にしないで、来るのが遅くなってごめんね」

「なんで星野が謝るんだよ」

肩で息をしている刹那を心配そうに見つめている莉子。

彼の息遣いがやがて寝息に変わっていた。


早朝。

刹那は目が覚めた。

体は楽になっていた。

ベッドから起き上がるとフローリングの床で丸まって眠っている星野莉子がいた。

(ずっと居てくれたのか)

刹那は自分の掛け布団を莉子にかけてやった。

莉子はいつの間にか寝落ちしていた。

(……あったかい)

彼女は布団に包まるようにして心地よい眠りをむさぼっていた。

(……)

次の瞬間、ガバッと莉子は飛び起きた。

「おはよう」

背後から声をかけられて振り返る。

キッチンで煙草を吹かしている刹那が見下ろしていた。

ぎゃぁぁぁぁ!!という叫びに近い声をあげる莉子。

「大きな声出すなよ。ここ壁薄いんだから」

「……し、白瀬くん、大丈夫なの?」

「すっかり元気」

「うそ、昨日はうなされてたのに」

「星野の看病のおかげだな」

煙草を吸い終わると刹那はベッドに横になった。

「今日も休むからセンセに言っといて」

「えぇ〜、今元気って言ったよね」

「そうだっけ?……ってか、星野よく見ると可愛いんだな」

莉子は顔が熱くなるのを感じていた。

「ちょっとセクハラだよ。絶対可愛くないメイク崩れてるし」

「あっそ、いろいろありがとう。オレは寝る」

刹那は毛布に包まって、背中を向けて寝に入っていた。

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