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クラスの人気者は、刹那の2時間を買い戻したい。

第11章 勉強会

GWが明けて一週間経過していた。

刹那は担任の千堂皐月と教室に残っていた。

「本来なら、三者面談なので保護者も同席するのですが、白瀬くんは一人で面談します。進路も決めなくてはいけませんし」

「前もいったじゃん、オレ進路なんて何も思いつかないんだけど」

「それも含めて、考えなくてはいけないわね。進路を決めないとなにも出来ないわ」

「ん〜」

「高卒で就職することもできるけど、ウチは進学校なので就職には強くないのよ」

「ん〜」

「真面目に考えてるの?」

「そんなこと言っても……」

刹那は途方に暮れていた。

「皐月センセが考えてよ」

「なに言ってるの。自分のことでしょ」

「ん〜」

これでは埒があかない。皐月は考え込んでいた。

(過去の記憶がない彼には残酷な選択よね)

「そういえば、白瀬くん英語が得意らしいわね」

皐月はクラス会での刹那の話を小耳に挟んでいた。

「別に得意ってわけじゃないけど、なんか分かるんだよね」

「語学力を生かした就職先をしぼるというのはどうかしら?」

「ん〜」

「……もう、今日はここまでね。もう少し自分で考えてみなさい」

皐月はそう言い残して教室から出ていった。

刹那は職員駐車場に向かってとぼとぼ歩いている。

「刹那くーん」

「……星野か」

「なんか元気ないね」

「んー、進路希望が決まらなくて」

「そっか、刹那くんは……その、学校いけない時があったし悩むよね」

「そういうことじゃないんだけどね」

「あ、よく知らないのに変なこと言ってごめんね」

「だから謝んなよ。星野は進路どうするの?」

「私はね、大学行ってダンス関係の仕事がしたいなって思ってる」

「それ分かる。お前絶対向いてるよ」

「えへへ、ありがとう。私向いてるかな」

莉子は照れながら満更でもないようすで笑っている。

「もう帰るのか?」

「片付けして帰るとこ。あ、いっけない。みんな待ってるんだった」

莉子は思い出したように体育館の方へ振り返った。

「じゃあ、一緒に帰る? 送ってくよ」

「ホントに!いいの?」

「ああ、待っててやるから早く行ってこいよ」

「分かった。じゃあまた後でね」

莉子は頬が熱くなるのを感じながら、明るく刹那の元を離れていった。

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