
中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜
第7章 飽食の時。佳代(4)
夕暮れの京都、祇園四条。
鴨川を渡る風には微かに湿った夜の匂いが混じり、通りのあちこちで人工的なネオンの光が、滲む水彩画のようにぼんやりと浮かび上がり始めていた。喧騒の辻をすり抜け、私と和彦はあらかじめ指定していたビジネスホテルの重厚なエントランスへと滑り込んだ。
上昇するエレベーターの密室の中、金属質な駆動音に紛れて、和彦が低く、含み笑いのような声を漏らす。
「お前のところの事務員の女と、本当にやるんだな。......三人ってのは、俺も初めてだぜ」
「そいつがどうしてもって言うからな。お前だって、その誘いを断らなかっただろう」
「いい女なんだってな......佳代さんって」
「ああ、間違いないよ。熟しきっていて、最高の味がする」
私の言葉に、和彦は軽く肩をすくめてみせた。長身の彼は、いつものように洗いざらしのラフなシャ
ツにジーンズという気怠げな佇まい。対照的に私は、日常の澱をまとったスーツ姿のまま、仕事帰りにここへ直行していた。最上階のスイートルーム。今夜という刹那の宴を飾るにはその空間しかないと確信し、惜しみなく大枚をはたいて予約した部屋だ。
重い木調のドアの前に立ち、指先で静かにノックを刻むと、まもなくして内側からカチャリと冷たい金属音が響き、扉が開いた。
「来てくれた......のね」
そこに佇んでいたのは、佳代だった。
淡い薄青のブラウス、そして膝下までをタイトに引き締める黒いスカートが、四十五歳を迎えた彼女の肉感的な腰と、豊かな臀部の丸みを優美に包み込んでいる。細身でありながらも、そこから覗く黒いパンティストッキングに覆われた美脚は、室内の仄暗い灯りを受けて艶めかしく光を撥ね返していた。
その瞳はすでに熱を帯びて潤み、白い頬は内側から湧き立つように桜色に染まっている。これまで
幾度となく貪ってきたその肢体は、今まさに果実が爆ぜる寸前のような、濃厚な色気を放っていた。
「和彦さん、はじめまして......じゃなくて、よろしくね」
鴨川を渡る風には微かに湿った夜の匂いが混じり、通りのあちこちで人工的なネオンの光が、滲む水彩画のようにぼんやりと浮かび上がり始めていた。喧騒の辻をすり抜け、私と和彦はあらかじめ指定していたビジネスホテルの重厚なエントランスへと滑り込んだ。
上昇するエレベーターの密室の中、金属質な駆動音に紛れて、和彦が低く、含み笑いのような声を漏らす。
「お前のところの事務員の女と、本当にやるんだな。......三人ってのは、俺も初めてだぜ」
「そいつがどうしてもって言うからな。お前だって、その誘いを断らなかっただろう」
「いい女なんだってな......佳代さんって」
「ああ、間違いないよ。熟しきっていて、最高の味がする」
私の言葉に、和彦は軽く肩をすくめてみせた。長身の彼は、いつものように洗いざらしのラフなシャ
ツにジーンズという気怠げな佇まい。対照的に私は、日常の澱をまとったスーツ姿のまま、仕事帰りにここへ直行していた。最上階のスイートルーム。今夜という刹那の宴を飾るにはその空間しかないと確信し、惜しみなく大枚をはたいて予約した部屋だ。
重い木調のドアの前に立ち、指先で静かにノックを刻むと、まもなくして内側からカチャリと冷たい金属音が響き、扉が開いた。
「来てくれた......のね」
そこに佇んでいたのは、佳代だった。
淡い薄青のブラウス、そして膝下までをタイトに引き締める黒いスカートが、四十五歳を迎えた彼女の肉感的な腰と、豊かな臀部の丸みを優美に包み込んでいる。細身でありながらも、そこから覗く黒いパンティストッキングに覆われた美脚は、室内の仄暗い灯りを受けて艶めかしく光を撥ね返していた。
その瞳はすでに熱を帯びて潤み、白い頬は内側から湧き立つように桜色に染まっている。これまで
幾度となく貪ってきたその肢体は、今まさに果実が爆ぜる寸前のような、濃厚な色気を放っていた。
「和彦さん、はじめまして......じゃなくて、よろしくね」

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