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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第8章 飽食の時。瑠花(1)

瑠花との思いでは短いものだったが、今まで抱いてきた事務員の中では断トツに可愛い子だった。だが、何度か身体を重ねた後、瑠花は突然、僕の前から去っていった。

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名前は瑠花。僕より20歳も若いその女は、どこか異国情緒を漂わせる、滝沢カレンによく似た整った顔立ちをしていた。ほんのり茶色がかったアーモンド型の瞳に、細身の身体からすらりと伸びる長い脚。

薄茶色に染められたストレートのショートカットが、彼女の快活さを際立たせている。そんな彼女の愛車は、お洒落な黒のベスパだった。僕は彼女を初めて見た瞬間から男の欲望が鎌首をもたげげた。

——この子を、自分のものにしたい

それから、二人きりの職場で一年という月日が流れた。
うちの事務職は決して給料が良いわけではない。不満を漏らして辞めていく者、店舗異動を希望する者、自己都合での退職……。これまで一年以上長続きした子などほとんどいなかった。だから、瑠花がこうして辞めずに残ってくれたのは、嬉しい誤算だった。それどころか、彼女は仕事の覚えも早く、毎日の業務をそつなく、健気にこなしてくれている。

(今度、頑張っている褒美に美味いものでも奢ってやるか……)

そんなことをぼんやりと考えていた、ある日のことだった。

「あの、すみません。パソコンの使い方を教えていただけませんか?」

瑠花が少し困ったような笑顔で声をかけてきた。エクセルで簡単な計算表を作りたいのだが、どうしてもやり方が分からないのだという。

「なんだ、そんなことか」

僕は内心の動揺を隠すように軽い調子で応じ、彼女が座るパソコンの前へと歩み寄った。彼女の背後から手を伸ばし、同じマウスを握るようにして画面を操作する。手慣れた手つきでパパッと表を完成させて見せると、瑠花は目を丸くして歓声を上げた。

「すごい! 早いですね!」

素直に感心する彼女の横顔を、僕はすぐ間近で見つめていた。吐息が届きそうなほどの距離。こんなにも近くで見る彼女の美しさに、僕の心臓の鼓動は早まった。

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