中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜
第8章 飽食の時。瑠花(1)
とにかく、愛おしかった。見つめれば見つめるほど、この一年間、胸の奥底にせき止めていた彼女への想いが、決壊した洪水のように一気に溢れ出していく。気がつけば、僕は衝動を抑えきれず、彼女の柔らかな薄茶色の髪にそっと手を触れていた。
瑠花は身じろぎもせず、じっとしていた。何が起きているのか理解できていないかのように、ただパソコンのモニターをじっと見つめている。
もう一度、さりげなく彼女の髪に指先を滑らせた。と同時に、意を決して、彼女の背中越しにその細い身体を強く抱きしめた。拒絶されることが怖かったが、意外なことに、瑠花が抵抗する気配はなかった。彼女は両手を胸の前で小さく組み、僕の腕の中で大人しく身を委ねている。
突然、瑠花は何かを察したかのような表情で、ゆっくりと僕の方を振り向いた。その真っ直ぐな瞳が僕の顔をじっと見つめ、そして、諦めたように、あるいは受け入れるように、そっと静かに瞼を閉じた。
僕は引き寄せられるように彼女の顔を引き寄せ、その唇に唇を落とした。ぷっくりとした唇は、綿花のように驚くほど柔らかく、処女の性器のように初々しく、そこだけが輝いて見えた。彼女の頬に手を触れ、舌を入れようとしたとき、彼女は口を閉じ、それ以上の境界線を越えることを拒んだ。
そして、今まで無言だった瑠花が喋り始めた。
「先生。あのぉ……聞きたいことがあるんですが、いいですか?」
僕を見つめる真剣なまなざしの中に、軽蔑の光が見える。
「何? 聞きたいことって」
「あのぉ……奥さん、いますよね?」
「……うん、そうだけど」
「先生……もう、こんなことしたらダメですよ」
彼女の口から、感情を含まない冷静な声が出た。
(キスを許してくれたのに……)
さっきまでの行為と、彼女の発する言葉とのギャップが恐くなり、心臓の鼓動が早くなる。 ……それって、もしかしたら「今、セクハラしましたよね」って僕に遠回しに言っている?
(上司にチクられたら問題になるぞ)。
調子に乗ってやってしまったこととはいえ、自分の軽率な行動に背中に嫌な汗をかいた。
「まぁ、今のは……ごめん。ねえ、今度さあ、二人で夕食でも食べに行かない? 瑠花ちゃんさえ良ければなんだけど、どうかな?」
瑠花は身じろぎもせず、じっとしていた。何が起きているのか理解できていないかのように、ただパソコンのモニターをじっと見つめている。
もう一度、さりげなく彼女の髪に指先を滑らせた。と同時に、意を決して、彼女の背中越しにその細い身体を強く抱きしめた。拒絶されることが怖かったが、意外なことに、瑠花が抵抗する気配はなかった。彼女は両手を胸の前で小さく組み、僕の腕の中で大人しく身を委ねている。
突然、瑠花は何かを察したかのような表情で、ゆっくりと僕の方を振り向いた。その真っ直ぐな瞳が僕の顔をじっと見つめ、そして、諦めたように、あるいは受け入れるように、そっと静かに瞼を閉じた。
僕は引き寄せられるように彼女の顔を引き寄せ、その唇に唇を落とした。ぷっくりとした唇は、綿花のように驚くほど柔らかく、処女の性器のように初々しく、そこだけが輝いて見えた。彼女の頬に手を触れ、舌を入れようとしたとき、彼女は口を閉じ、それ以上の境界線を越えることを拒んだ。
そして、今まで無言だった瑠花が喋り始めた。
「先生。あのぉ……聞きたいことがあるんですが、いいですか?」
僕を見つめる真剣なまなざしの中に、軽蔑の光が見える。
「何? 聞きたいことって」
「あのぉ……奥さん、いますよね?」
「……うん、そうだけど」
「先生……もう、こんなことしたらダメですよ」
彼女の口から、感情を含まない冷静な声が出た。
(キスを許してくれたのに……)
さっきまでの行為と、彼女の発する言葉とのギャップが恐くなり、心臓の鼓動が早くなる。 ……それって、もしかしたら「今、セクハラしましたよね」って僕に遠回しに言っている?
(上司にチクられたら問題になるぞ)。
調子に乗ってやってしまったこととはいえ、自分の軽率な行動に背中に嫌な汗をかいた。
「まぁ、今のは……ごめん。ねえ、今度さあ、二人で夕食でも食べに行かない? 瑠花ちゃんさえ良ければなんだけど、どうかな?」
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