
孤独を埋めて、満たして
第1章 孤独を埋めて、満たして
「何の用、じゃないよ。……さっきの、何。あいつ、ゆりちゃんのこと狙ってるよ。分かってないの?」
自分でもびっくりするくらい、余裕のない、みっともない声が出た。
あいつは「私を避けていたのは成瀬くんじゃない」と冷たく言い放つ。その通りだ。返す言葉なんてない。
でも、もう限界だった。
「避けてたのは……、怖かったからだよ」
俺はあいつの肩を掴んで、そのまま額を押し付けた。指先がガタガタと震えるのを、もう隠せもしない。
「ゆりちゃんに俺の全部を見透かされるのが、怖くて仕方なかった。……でも、無理なんだよ。他の女の子といても、全然、温かくないんだ。他の奴にゆりちゃんが盗られるなんて、そんなの、絶対に嫌だ」
格好悪い。でも、これが俺の全部だ。
嫌われてもいい、拒絶されてもいい。
そう思った瞬間、あいつの細い腕が、俺の背中に回された。

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