あの2人って、仲いい思春期だね。
第1章 ピザって10回言ってみな。
「お兄ちゃんがいるのに、オナニー知らない妹はいないんじゃない?あ、なんで勃起してるのかは分からないけどね。」
天使のようなロリフェイスのミユが、小悪魔のような微笑みを浮かべる。
「あわわわっ…!」
けっきょく、誠が想っていた、清純で清らかなミユは、思春期の少年の儚い妄想だったのだ。
「俺…帰るっ!」
恥ずかしさでいっぱいの誠は、にはかに立ち上がり、そばにあった自分の鞄を掴み、ミユの部屋の外に向かって身を翻した。
「まこちゃん!待ってよぉ、この本を2人で…」
ミユが両手で本を持って追いかけてくるのをよそに、誠は階段をかけ降りる。
「まこちゃんっ!」
誠が階段の中程まで降りたとき、ひときわ大きなミユの叫び声が響いた。
誠が振り替えると、そこにはアノ分厚い本と一緒に降ってくる、ミユの肢体があった。
「うわああっ!?」
2人の体は、肉団子のごとく揉みくちゃになり、仲良く1階まで転げ落ちたのだった。