My Godness~俺の女神~
第6章 ♯Conflict(葛藤)♯
「何を今更。俺だけでなくお前だって、さんざんやってきたことだろう。大体、それを言うのなら、この店の客は大半が中年以上の女だ。残念ながら」
「客の心を必要以上に弄ぶな」
ヘッと悠理は唾棄するように言った。
「それが俺たちの仕事だろう」
「仕事?」
柊路が眉をつり上げた。
「俺たちの仕事は客に夢を与えることじゃないのか」
「いかにも綺麗事好き、理想主義の柊路らしいな」
悠理はクックッと低い声で笑う。聞きようによっては、それは嘲笑にも取れる。
「幾ら言葉で飾り立てようと、俺たちは所詮、ホストだ。それ以上でも以下でもないさ」
「自分の仕事に誇りを持てないのか?」
さも意外なことを聞いたとでも言うように悠理は眼をまたたかせた。
「誇り? 笑わせる。手練手管で女の気を惹くのが商売のこの仕事にどうやって誇りを持つんだ?」
柊路は救いがたいと言いたげな表情で首を振った。
「つい最近、俺にこんなことを言った人がいたよ。どんな仕事をしているかよりも、どれだけその仕事に夢中になって打ち込んでいるかで人間の価値は決まるそうだ」
「阿呆らしい」
悠理はペッと唾を吐いた。
「俺は馬鹿げているとは思わない。確かにホストと聞いただけで、真っ当な人間だと見て貰えないのは事実だが、俺はさっきの言葉を聞いてから、考えを改めたよ。ここに来る客は皆、事情は違うけれど、誰もが心に闇を抱えてる。俺たちはその闇を少しでも取り除いてやるのが仕事だ。客がここに来て、俺たちとほんのわずかな時間を共にすることで、また元気になって、それぞれの日常に帰っていければ良いと思ってる」
「語りたければ、そこでいつまでも理想論を語ってろ」
悠理はだるそうに言い、寝転んだままの姿勢で眼を閉じた。
「とにかく、あの藤堂実沙という客にはあまり深入りするな。あれはただの遊びの目つきじゃない。下手にその気にさせたら、あの女だけでなく、お前まで大けがすることになりかねないぞ」
「客の心を必要以上に弄ぶな」
ヘッと悠理は唾棄するように言った。
「それが俺たちの仕事だろう」
「仕事?」
柊路が眉をつり上げた。
「俺たちの仕事は客に夢を与えることじゃないのか」
「いかにも綺麗事好き、理想主義の柊路らしいな」
悠理はクックッと低い声で笑う。聞きようによっては、それは嘲笑にも取れる。
「幾ら言葉で飾り立てようと、俺たちは所詮、ホストだ。それ以上でも以下でもないさ」
「自分の仕事に誇りを持てないのか?」
さも意外なことを聞いたとでも言うように悠理は眼をまたたかせた。
「誇り? 笑わせる。手練手管で女の気を惹くのが商売のこの仕事にどうやって誇りを持つんだ?」
柊路は救いがたいと言いたげな表情で首を振った。
「つい最近、俺にこんなことを言った人がいたよ。どんな仕事をしているかよりも、どれだけその仕事に夢中になって打ち込んでいるかで人間の価値は決まるそうだ」
「阿呆らしい」
悠理はペッと唾を吐いた。
「俺は馬鹿げているとは思わない。確かにホストと聞いただけで、真っ当な人間だと見て貰えないのは事実だが、俺はさっきの言葉を聞いてから、考えを改めたよ。ここに来る客は皆、事情は違うけれど、誰もが心に闇を抱えてる。俺たちはその闇を少しでも取り除いてやるのが仕事だ。客がここに来て、俺たちとほんのわずかな時間を共にすることで、また元気になって、それぞれの日常に帰っていければ良いと思ってる」
「語りたければ、そこでいつまでも理想論を語ってろ」
悠理はだるそうに言い、寝転んだままの姿勢で眼を閉じた。
「とにかく、あの藤堂実沙という客にはあまり深入りするな。あれはただの遊びの目つきじゃない。下手にその気にさせたら、あの女だけでなく、お前まで大けがすることになりかねないぞ」