My Godness~俺の女神~
第7章 ♯Pray(祈り)♯
彼が思いあぐねていたその時、小さなうめき声が耳を打った。
ハッと顔を上げると、実里が墓の前に倒れていた。腹が痛むらしく、片手でお腹を押さえている。その表情から相当の痛みを堪えているのだろうと察せられた。
迷ってなどいられない。悠理はすぐに実里の側に走った。
「大丈夫か?」
抱え起こして声をかけると、実里はうっすらと眼を開いた。その苦しげな表情に、かすかに安堵が滲んだ。
「柊路さん?」
刹那、悠理の胸を軽い衝撃が駆け抜けた。
実里は柊路に心を寄せ始めているのだ。
当然のなりゆきにも思えた。男の悠理が見ても、柊路は男気のある男らしい男だ。
柊路は十一月のある日、ホストクラブを辞めた。同じホスト仲間から聞いたところによると、自動車の整備工場で見習いとして働いているらしい。見習いをしながら、将来は本格的な整備士になるのを目指しているのだという。
自らの目的を持ち、それに向かって邁進している柊路。その毅然とした生きる姿勢は、実里にも共通するものだ。そして、柊路の方も実里にベタ惚れだ。
あの二人なら、似合いだろう。
柊路なら実里を幸せにしてくれるし、柊路自身も言っていたように、生まれてくる赤ん坊を我が子同然に慈しむに違いない。
二人を託すのに柊路ならば、何の愁いもない。なのに、悠理の心は晴れなかった。
その瞬間、彼は悟ったのだ。
俺はいつからか実里に惹かれ始めていたんだ。
始まりがいつからかは判らない。実里を執拗につけ回していた頃では断じてないし、レイプしてやろうと思い立ったときであるはずがない。いずれにしろ、彼女につきまとっている中に彼女という人間を知るにつれ、実里という女の人間性に強く惹かれるものは感じていた、それは確かだ。
脆そうなのに、頑固で、ひたむきで真っすぐで、優しくて。上っ面だけ友達面をして、その実、相手を蹴落とすことしか頭にないホスト仲間の中にあって、たった一人、心を許せた親友柊路と実里はとてもよく似ている。
外見とかいうのではなくて、魂の奥底の深い部分で似ている。だからこそ、余計に悠理は実里に惹かれたのかもしれない。
ハッと顔を上げると、実里が墓の前に倒れていた。腹が痛むらしく、片手でお腹を押さえている。その表情から相当の痛みを堪えているのだろうと察せられた。
迷ってなどいられない。悠理はすぐに実里の側に走った。
「大丈夫か?」
抱え起こして声をかけると、実里はうっすらと眼を開いた。その苦しげな表情に、かすかに安堵が滲んだ。
「柊路さん?」
刹那、悠理の胸を軽い衝撃が駆け抜けた。
実里は柊路に心を寄せ始めているのだ。
当然のなりゆきにも思えた。男の悠理が見ても、柊路は男気のある男らしい男だ。
柊路は十一月のある日、ホストクラブを辞めた。同じホスト仲間から聞いたところによると、自動車の整備工場で見習いとして働いているらしい。見習いをしながら、将来は本格的な整備士になるのを目指しているのだという。
自らの目的を持ち、それに向かって邁進している柊路。その毅然とした生きる姿勢は、実里にも共通するものだ。そして、柊路の方も実里にベタ惚れだ。
あの二人なら、似合いだろう。
柊路なら実里を幸せにしてくれるし、柊路自身も言っていたように、生まれてくる赤ん坊を我が子同然に慈しむに違いない。
二人を託すのに柊路ならば、何の愁いもない。なのに、悠理の心は晴れなかった。
その瞬間、彼は悟ったのだ。
俺はいつからか実里に惹かれ始めていたんだ。
始まりがいつからかは判らない。実里を執拗につけ回していた頃では断じてないし、レイプしてやろうと思い立ったときであるはずがない。いずれにしろ、彼女につきまとっている中に彼女という人間を知るにつれ、実里という女の人間性に強く惹かれるものは感じていた、それは確かだ。
脆そうなのに、頑固で、ひたむきで真っすぐで、優しくて。上っ面だけ友達面をして、その実、相手を蹴落とすことしか頭にないホスト仲間の中にあって、たった一人、心を許せた親友柊路と実里はとてもよく似ている。
外見とかいうのではなくて、魂の奥底の深い部分で似ている。だからこそ、余計に悠理は実里に惹かれたのかもしれない。