My Godness~俺の女神~
第7章 ♯Pray(祈り)♯
「どうも赤ちゃんが逆子のようです。それで、陣痛の波は来ても、途中で引っかかって上手く出てこられないんでしょう。もう少し様子を見ますが、生まれる気配がなければ、途中で帝王切開に切り替えます」
「帝王切開―」
悠理は息を呑んだ。
医師はそのまま、また分娩室に戻った。その間も実里の痛々しい声は絶えない。
一時間ほど経った。今度は分娩室がざわつき、数人の看護士が慌ただしく出入りを繰り返し始めた。
更に別のいかにもベテランといった銀髪の医師がどこからともなく現れ、分娩室に入る。どれもが良い兆候とは到底思えない。
悠理は忙しそうに行ったり来たりする看護士の一人に取り縋った。
「一体、どうなってるんですか?」
あれほど苦しげに聞こえていた実里のうめき声が聞こえないのも不吉な予感がした。
まだ若い看護士は悠理に構う暇も勿体ないとばかりに早口で告げた。
「奥さんの血圧がかなり下がって、危険な状態です。出血量が多いので、これから輸血をします」
悠理の眼に涙が滲んだ。
「お願いです、助けてやって下さい。二人とも助けてやってくれ」
泣き崩れる悠理の肩を後から出てきた年配の看護士が叩いた。
「大丈夫ですよ、お父さん。奥さんも赤ちゃんも今、頑張ってますからね」
温かみのある声はしかし、悠理の不安を少しも和らげてはくれなかった。
再び長い時が始まった。
分娩室はあれほど騒々しかったのが嘘のように、しんと静まり返り物音一つない。
悠理は長椅子に座り込み、両手で頭を抱えた。
こうしてただ一人、薄暗い病院の廊下にいると、嫌な想像ばかりしてしまう。
このまま実里は死ぬのではないか。いや、実里だけでなく、待ちわびている我が子まで、儚くなってしまうのではないだろうか。
もしかしたら、自分は子どもに恵まれない星の下にあるのかもしれない。
俺の子どもを宿した女は皆、ことごとく死ぬ運命にあるのか!?
馬鹿げた考えだとは判っていても、どうしても思考はマイナス方向にばかり行ってしまう。
「帝王切開―」
悠理は息を呑んだ。
医師はそのまま、また分娩室に戻った。その間も実里の痛々しい声は絶えない。
一時間ほど経った。今度は分娩室がざわつき、数人の看護士が慌ただしく出入りを繰り返し始めた。
更に別のいかにもベテランといった銀髪の医師がどこからともなく現れ、分娩室に入る。どれもが良い兆候とは到底思えない。
悠理は忙しそうに行ったり来たりする看護士の一人に取り縋った。
「一体、どうなってるんですか?」
あれほど苦しげに聞こえていた実里のうめき声が聞こえないのも不吉な予感がした。
まだ若い看護士は悠理に構う暇も勿体ないとばかりに早口で告げた。
「奥さんの血圧がかなり下がって、危険な状態です。出血量が多いので、これから輸血をします」
悠理の眼に涙が滲んだ。
「お願いです、助けてやって下さい。二人とも助けてやってくれ」
泣き崩れる悠理の肩を後から出てきた年配の看護士が叩いた。
「大丈夫ですよ、お父さん。奥さんも赤ちゃんも今、頑張ってますからね」
温かみのある声はしかし、悠理の不安を少しも和らげてはくれなかった。
再び長い時が始まった。
分娩室はあれほど騒々しかったのが嘘のように、しんと静まり返り物音一つない。
悠理は長椅子に座り込み、両手で頭を抱えた。
こうしてただ一人、薄暗い病院の廊下にいると、嫌な想像ばかりしてしまう。
このまま実里は死ぬのではないか。いや、実里だけでなく、待ちわびている我が子まで、儚くなってしまうのではないだろうか。
もしかしたら、自分は子どもに恵まれない星の下にあるのかもしれない。
俺の子どもを宿した女は皆、ことごとく死ぬ運命にあるのか!?
馬鹿げた考えだとは判っていても、どうしても思考はマイナス方向にばかり行ってしまう。