My Godness~俺の女神~
第3章 ♯Vengeance(復讐)♯
今まで早妃の体面に拘わるからと柊にさえ話したことのないスキャンダル。流石にこの話には柊も衝撃を隠せなかったようだ。
「何ともやり切れない話だな。世の中の連中は俺たちのようにホストしてるヤツを白い眼で見るけど、実は真っ当に生きてるいかにも真面目そうな男がそんな風に大人しい顔の下に世にも怖ろしい本性を隠してるってこともある。誰も想像もしないだろうよ」
柊は首を振ると、嘆息した。
「早妃さんがお前に出逢って不幸だったなんて、頼むから、そんな馬鹿げたことを考えないでくれ。彼女は間違いなく幸せだったはずだ。早妃さんにとって悠理は最後の男で、お前にとっては早妃さんは最高の女だろう? それが幸せじゃなくて、何なんだ」
悠理はうつむいた。
「柊、俺だって判ってるさ。早妃なら、俺が彼女の死から立ち直り、先へ向かって進むことを望むだろう。あいつは、そういう女だ。けど、このままでは俺はどうしても納得できない。早妃を殺して何の償いもしなくても良いというあの女を許せないんだ」
「おい、何を馬鹿げたことを言っている。目撃者だっているのに、これ以上、何をどうするというんだ。考えてみれば、彼女も今回の事故の犠牲者の一人だぞ? 人ひとりを轢いたという大きな罪の意識を背負って生きていかなきゃならないんだ。それがどれほど過酷なことか、お前にだって判るだろうが」
「あの女に人並みの良心があればね。柊も言ったじゃないか。いかにも真面目そうな男が実は世間から隠避されている俺らみたいな人種よりも怖いって。女だって、同じだ。あんな、苦労なんてしたこともないようなお嬢さまが実際にはあばずれだったり、良心の欠片(かけら)もないヤツだったりするんだ」
悠理が唾棄するように言うと、柊が眉をひそめた。
「そんな言い方するなんて、お前らしくないぞ、悠理。彼女、そんな風には見えなかったじゃないか。ごく普通の子だよ」
悠理の唇が皮肉げに歪んだ。
「まさか、あの女に惚れたのか? そう言えば、最初から柊は、あいつの肩ばかり持ってるもんな」
「馬鹿も休み休み言え。幾ら長年の付き合いのお前でも許さないぞ? 彼女とは事故のあった当日、初めて逢ったばかりだし、ましてや、あんな状況で惚れるも何もあるもんか。そんなことまで考えるなんて、悠理、お前はどうかしてるんじゃないのか?」
「何ともやり切れない話だな。世の中の連中は俺たちのようにホストしてるヤツを白い眼で見るけど、実は真っ当に生きてるいかにも真面目そうな男がそんな風に大人しい顔の下に世にも怖ろしい本性を隠してるってこともある。誰も想像もしないだろうよ」
柊は首を振ると、嘆息した。
「早妃さんがお前に出逢って不幸だったなんて、頼むから、そんな馬鹿げたことを考えないでくれ。彼女は間違いなく幸せだったはずだ。早妃さんにとって悠理は最後の男で、お前にとっては早妃さんは最高の女だろう? それが幸せじゃなくて、何なんだ」
悠理はうつむいた。
「柊、俺だって判ってるさ。早妃なら、俺が彼女の死から立ち直り、先へ向かって進むことを望むだろう。あいつは、そういう女だ。けど、このままでは俺はどうしても納得できない。早妃を殺して何の償いもしなくても良いというあの女を許せないんだ」
「おい、何を馬鹿げたことを言っている。目撃者だっているのに、これ以上、何をどうするというんだ。考えてみれば、彼女も今回の事故の犠牲者の一人だぞ? 人ひとりを轢いたという大きな罪の意識を背負って生きていかなきゃならないんだ。それがどれほど過酷なことか、お前にだって判るだろうが」
「あの女に人並みの良心があればね。柊も言ったじゃないか。いかにも真面目そうな男が実は世間から隠避されている俺らみたいな人種よりも怖いって。女だって、同じだ。あんな、苦労なんてしたこともないようなお嬢さまが実際にはあばずれだったり、良心の欠片(かけら)もないヤツだったりするんだ」
悠理が唾棄するように言うと、柊が眉をひそめた。
「そんな言い方するなんて、お前らしくないぞ、悠理。彼女、そんな風には見えなかったじゃないか。ごく普通の子だよ」
悠理の唇が皮肉げに歪んだ。
「まさか、あの女に惚れたのか? そう言えば、最初から柊は、あいつの肩ばかり持ってるもんな」
「馬鹿も休み休み言え。幾ら長年の付き合いのお前でも許さないぞ? 彼女とは事故のあった当日、初めて逢ったばかりだし、ましてや、あんな状況で惚れるも何もあるもんか。そんなことまで考えるなんて、悠理、お前はどうかしてるんじゃないのか?」