My Godness~俺の女神~
第3章 ♯Vengeance(復讐)♯
「ごめんなさい。大きな声を出したりして。でも、私、そんなことで人を決めつけたりはしません。だって、どんな仕事をしていても、それがその人のすべてじゃないでしょう。大切なのは職種ではなくて、どれだけその仕事を頑張ってやっているかだと思いますから」
柊路が眼を丸くした。
「へえ、そんな考え方をする子もいるんだ。君って珍しいね」
実里は少しムキになり過ぎたことを後悔して、紅くなった。
柊路はふと真顔になった。
「君みたいな良い子なら、尚更、忠告しておく必要がありそうだな。良い、今の悠理は本当の悠理じゃなくなってる。だから、気をつけて。入倉さんもさっき、悠理について何か悩んでることがあるような感じだったけど?」
この人なら信用できる。実里は昨日の出来事を包み隠さず柊路に話した。
話を聞いていた柊路の顔が徐々に蒼褪めていくのを、実里は不安そうに見た。
「こんな話して、気を悪くされました?」
悠理はこの男にとっては無二の親友なのだ。もしかしたら、実里の被害妄想的な作り話だと思われたかもしれない。
が、柊路は予想外のことを言った。
「今の彼なら、やりそうなことだ。入倉さん、しばらくは一人で行動しない方が良い。何なら、警察にでも伝えて、ボディガードして貰ったら?」
「そこまでは」
実里が首を振ると、柊路は頷いた。
「確かにね。話が余計に大きくなるだけかもな」
それからしばらく当たり障りのない話をした後、柊路は走り書きのメモを渡した。
「何か気になることがあったら、電話して。俺も悠理の様子に気をつけておくから」
柊路はこれから店に出るという。聞けば、駅前のスターライトという店にいるらしい。ここからだと眼と鼻の距離だ。
自宅まで送るという柊路の申し出を丁重に断り、実里は一人、柊路が残していったコーヒーカップを見つめた。実里の前のアイスティーはとうとう少しも口を付けなかった。
ここまで深刻な話をしながら、アイスティーを飲む気になんて毛頭なれなかった。ホストクラブ、ドラッグ。
どれもが実里とは縁のない世界のことばかりだ。まるで果てしない闇へと続く世界の深淵を垣間見たようで、実里は知らず身体を震わせた。
柊路が眼を丸くした。
「へえ、そんな考え方をする子もいるんだ。君って珍しいね」
実里は少しムキになり過ぎたことを後悔して、紅くなった。
柊路はふと真顔になった。
「君みたいな良い子なら、尚更、忠告しておく必要がありそうだな。良い、今の悠理は本当の悠理じゃなくなってる。だから、気をつけて。入倉さんもさっき、悠理について何か悩んでることがあるような感じだったけど?」
この人なら信用できる。実里は昨日の出来事を包み隠さず柊路に話した。
話を聞いていた柊路の顔が徐々に蒼褪めていくのを、実里は不安そうに見た。
「こんな話して、気を悪くされました?」
悠理はこの男にとっては無二の親友なのだ。もしかしたら、実里の被害妄想的な作り話だと思われたかもしれない。
が、柊路は予想外のことを言った。
「今の彼なら、やりそうなことだ。入倉さん、しばらくは一人で行動しない方が良い。何なら、警察にでも伝えて、ボディガードして貰ったら?」
「そこまでは」
実里が首を振ると、柊路は頷いた。
「確かにね。話が余計に大きくなるだけかもな」
それからしばらく当たり障りのない話をした後、柊路は走り書きのメモを渡した。
「何か気になることがあったら、電話して。俺も悠理の様子に気をつけておくから」
柊路はこれから店に出るという。聞けば、駅前のスターライトという店にいるらしい。ここからだと眼と鼻の距離だ。
自宅まで送るという柊路の申し出を丁重に断り、実里は一人、柊路が残していったコーヒーカップを見つめた。実里の前のアイスティーはとうとう少しも口を付けなかった。
ここまで深刻な話をしながら、アイスティーを飲む気になんて毛頭なれなかった。ホストクラブ、ドラッグ。
どれもが実里とは縁のない世界のことばかりだ。まるで果てしない闇へと続く世界の深淵を垣間見たようで、実里は知らず身体を震わせた。