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My Godness~俺の女神~

第4章 ♯Stalker(忍び寄る影)♯

 両親が既に寝ていたのは幸いだったといえる。謹厳な父と小心な母が今の実里の姿を見れば、卒倒するに違いなかった。
 実里は玄関からそのまま二階に上がり、ベッドに倒れ込んだ。本当はシャワーを浴びて、あの卑劣な男にさんざん弄ばれた身体を清めたかった。だが、正直、今はそれだけの気力も残ってはいない。
 あの男が自分の中に入り込んで、何度も精を放ったのだと思っただけで嫌悪感に吐いてしまいそうだ。
 しかし、その時、実里は迂闊にも気づいていなかった。やがて、その夜の人知れぬ出来事によって、自分がどのように大きなリスクを背負うことになるのかを。
 実里は着替える元気もなく、そのままベッドに打ち伏して泥のような深い眠りの底に落ちていった。

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