My Godness~俺の女神~
第5章 ♯Detection(発覚)♯
「でも、実里。あの日も言ってたけど、彼氏とは何でもないんでしょう。なら、赤ちゃんの父親はそれ以外の男ってこと?」
実里の顔が真っ青になったのを見て、ひかるは首を振った。
「ごめん、もう訊かない方が良いのよね」
「私の方こそ、ごめんなさい。ひかるには本当に仲良くして貰ったのに、何も話せなくて」
実里は心からひかるに申し訳なく思った。
ひかるは破顔した。
「なに水くさいことを言ってるのよ。それよりも、私から総務の部長に言ってあげようか? 総務の部長は社長の甥っ子だから、うちの部長から取りなして貰えれば、頑固爺ィの社長の考えも変わるかもしれないわ」
実里は微笑んだ。
「ありがと。ひかるがそこまで私のことを考えてくれて、本当に嬉しい。でも、やっぱり止めておく。仮に総務部長から取りなして貰って会社にいられることになったとしても、他人の眼というものがあるしね。きっと、今まで以上に居づらいと思うのよ。そういう針の筵のような場所にいるのも、お腹の子どもには良くないだろうから、この際、思い切って辞めることにする」
「実里、何だか強くなったわね。ついこの間までの実里と別人みたい。やっぱり、母は強しっていうのは本当なのかなぁ」
ひかるは感心したように言い、突如として唸った。
「それにしても、許せないわ」
「何が?」
本当に何のことか判らなくて問うと、ひかるは焦れったそうに言った。
「もう! 実里は本当にお人好しすぎるわよ。庶務課のあの子たち。病院で実里に逢ったっていう後輩たちのことに決まってるじゃないの。大方、あの子たちが実里のことを人事部に通報したに違いないわ」
実里自身も間違いないと思っていた。第一、あの二人に出逢ったその日、人事部に通報が入ったのだ。偶然の一致にしてはできすぎている。
「もう済んだことよ。今更、言ってみても始まらないわ」
「ああ、あなたは本当に人が好すぎるわ」
ひかるが嘆息混じりに呟いた。
「良いわ、私が実里の代わりに、あの子たちに制裁を加えるやるから。憶えてなさい。私の大切な親友に酷いことをしたら、ただじゃおかないんだから」
実里の顔が真っ青になったのを見て、ひかるは首を振った。
「ごめん、もう訊かない方が良いのよね」
「私の方こそ、ごめんなさい。ひかるには本当に仲良くして貰ったのに、何も話せなくて」
実里は心からひかるに申し訳なく思った。
ひかるは破顔した。
「なに水くさいことを言ってるのよ。それよりも、私から総務の部長に言ってあげようか? 総務の部長は社長の甥っ子だから、うちの部長から取りなして貰えれば、頑固爺ィの社長の考えも変わるかもしれないわ」
実里は微笑んだ。
「ありがと。ひかるがそこまで私のことを考えてくれて、本当に嬉しい。でも、やっぱり止めておく。仮に総務部長から取りなして貰って会社にいられることになったとしても、他人の眼というものがあるしね。きっと、今まで以上に居づらいと思うのよ。そういう針の筵のような場所にいるのも、お腹の子どもには良くないだろうから、この際、思い切って辞めることにする」
「実里、何だか強くなったわね。ついこの間までの実里と別人みたい。やっぱり、母は強しっていうのは本当なのかなぁ」
ひかるは感心したように言い、突如として唸った。
「それにしても、許せないわ」
「何が?」
本当に何のことか判らなくて問うと、ひかるは焦れったそうに言った。
「もう! 実里は本当にお人好しすぎるわよ。庶務課のあの子たち。病院で実里に逢ったっていう後輩たちのことに決まってるじゃないの。大方、あの子たちが実里のことを人事部に通報したに違いないわ」
実里自身も間違いないと思っていた。第一、あの二人に出逢ったその日、人事部に通報が入ったのだ。偶然の一致にしてはできすぎている。
「もう済んだことよ。今更、言ってみても始まらないわ」
「ああ、あなたは本当に人が好すぎるわ」
ひかるが嘆息混じりに呟いた。
「良いわ、私が実里の代わりに、あの子たちに制裁を加えるやるから。憶えてなさい。私の大切な親友に酷いことをしたら、ただじゃおかないんだから」