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捨て犬と俺と…

第8章 届かない思い


でも、きっと陸にとって翔は特別な存在だ。あの時の陸の見せた翔の事を想っている笑顔は綺麗で真っ直ぐな顔で、その顔が俺の脳裏に焼きついた。あの笑顔を思い出すたびに不安になってきそうだったから忘れたかったのに俺の脳はそうさせてくれなかった。


ご飯を買って翔のいるベンチに帰ろうとした途中陸がちょっと待ってろっていうからなんだと思いながら、空を見上げて待っていた。雲が多くて今日は夕立ちでもあるかな…生ぬるい風が全身を包んだ。


すると目の前には、歪な形をしたソフトクリームを片手にもってニコニコしている陸がいた。

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