
素敵な飼い主様2
第3章 4人目の野獣さん?!
当然というか、なんというか、その男とあたしの間には妙な沈黙が流れる。
俯いていると、ざっざっと、こちらに近付いてくる足音が聞こえてきた。
そして、あたしの視界に靴だけがうつる。
「大丈夫?手、かそうか?」
「え?」
顔は似ているが、性格は正反対なのか、優しい口調でそう聞かれた。
顔を上げると、爽やかに笑う輝激似の男。
あぁ、アイツもこの人を見習えばいいのに。
そう思いながら、手をだすとぐいっとちから強く引っ張ってくれた。
すぐに離してくれると思ったのに、その人はあたしの手を凝視すると、困ったような笑みをあたしに向けた。
「あ~あ、せっかくの綺麗な手が少し怪我しちゃったね?手当て、しようか」
え?!
でも時間が!!
そう言おうとするけれど、その男の人はあたしの有無も聞かず、ぐいぐいと引っ張っていった。
女子からのキツイ睨みもきてるんですけど?!
