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トラブルマーチ

第2章 振った男

3階の教室から勢いよく駆け下り、昇降口まで必死に走った。

下駄箱の前まで来たが、早く靴を履き替えたいのに、気持ちばかりが先に行き手足がプルプル震えて上手く履けない。


怒鳴らなくても、いつも見たいに断ればよかったんだ。だけど、陽子ちゃんの家にまで圧力掛けたって聞けば、怒鳴らずにいられなかった。


思い通りにならないからって、酷すぎる。
全然関係ないのに!!


追ってくる気配もなく、私は逃げ切れたと思っていた。深く息をはいて見ると少し落ち着いてきて、靴を履き直した。


ぐいっ


腕を掴まれ、振り向けば谷原が居た。

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