テキストサイズ

トラブルマーチ

第8章 別の顔

私は流されるがまま、谷原の手を取り起き上がり、クリーニングから上がって来た制服を手にした。


着替え終わる私を待って、ドアを開ける谷原に『本当に帰って良いの?』と聞きそうになった。


首をかしげて微笑む谷原は、悲しそうに見えて…。



「下に車用意してるから。」


「うん。」



谷原に手を差し出され、その手に手を置くとギュッと掴まれ、戸惑ってしまう。



「…明日も、こうやって手を繋ごうね?」



数日前の谷原が…戻ってきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ