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トラブルマーチ

第5章 契約

「どうした?書けないの?」


冷めた目で見られると、ゾッとした。
書かなければ、今この状況から抜け出せないって事は明らかだった。



「これ、俺が持っているから…別れるって言ったり俺を裏切れば婚約破棄で訴えるからね?」



そう言って私に万年筆を差し出して来た。

それを受け取り、サインをしようと紙に手を置くが怖くてペンが進まない。

このまま書いても、今は良くても今後が怖い。
逃げ出す事はかなわない。
捨てられるまで…そう言う事だ。



「どうするの?そんなに簡単に気持ちで、その場しのぎで言うからだよ?付き合うなんて。」

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