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トラブルマーチ

第5章 契約

震える手を押さえて名前を書いた。
書き終えて、ペンと婚姻届を谷原に渡した。


「…はい、書いたよ。」


「これで彼女通り越して婚約者だね?」



そう笑う谷原に顔が引きつってしまう。

谷原は簡単にそう言ったが、この辺じゃ有名な資産家の御曹司。
普通の農家の娘が嫁ぐなんてあり得ない。

大丈夫。
谷原家に絶対に排除される。



「じゃ、これからは花嫁修行だね?頑張ってね里香。失敗したら、家族ごとこの周辺で暮らせなくなっちゃうからね?」


「どう言う事?!」

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