晴れの日も 雨の日も
第1章 ありえない
「…れん…くん…?」
「おい…こいつイジメて、ただですむとおもってんのか」
れんは、そう言うと男子達に殴りかかった。
とても、小学五年生の子供に見えないくらい、喧嘩強くてかっこよかった。
その日から、れんは私と一緒にいるようになって、だんだんと好きになっていた。
でも…気付いたときにはれんは居なくなっていた。
家の人の用事で、引っ越したのだった。
その日の晩、ベッドの中で沢山泣いた。
「…ふぇ…れん…く…ん…」
サヨナラも言ってないのに…
まだ…想いも伝えてないのに…
まだ…私を助けてくれた、ありがとうも言ってないのに…
何にも言わずに言っちゃうなんて…
……でも、また会えるよね?
……って、信じてたのに…
結局高校生の今に至って会えていない真実。
運命って、残酷だな…