
素直になれたら...
第9章 *半年ぶりの再会
待ち合わせに少し遅れそうで、こーくんに謝罪のメールをする。
こーくんからは、
<大丈夫だよ、アパートの裏の土手にもういるから。
車が来たら降りてくるね。
気を付けて。>
待ち合わせ前に待っててくれてた。
アパートの近くに着く...
土手の方に、
背の高いスラッとしたシルエットが見えた。
こーくんだ...
半年ぶりに見るこーくん。
こーくんと目が合う。
気付いてないのか、反応が鈍い。
「ごめんね、お待たせしました。」
軽く手を振ると、
こーくんは慌てたように土手から降りる。
車の方へ恐る恐る近づくような仕草をみせるこーくん。
『りな...さん?
わからなかった...』
「半年ぶりだもんね、
顔忘れちゃうよね(笑)
お待たせしました、遅れてごめんね。」
『お邪魔します。
違うよ、髪!髪切ったんだ...
だからわからなかった。
楽しみにして早めに待ってたんだけどね、俺は...』
悪戯っぽく冗談を言うこーくん。
そうだ、私、髪切ったんだ。
こーくんを忘れる為に...
「だから、ごめんねって(笑)
髪は傷んでたから切ったの。
さて、どこに行く?」
『それが...
昨日一生懸命考えてたら、寝ちゃってた(笑)』
「ホントにー?(笑)」
『だから、目的のないドライブ♪』
「よし!
じゃあ、決めながら行こう♪
とりあえず、出発します!」
普通に話すことができた。
半年ぶりに見るこーくんの笑顔は
変わらず優しい笑顔で
眩しくて眩しくて...
私はずっと浮かれっぱなしだった。
