Memory of Night 番外編
第2章 Episode of YOI
その質問は明にとって、意外なものだったのかもしれない。
しばらく返答はなかった。
「……それって、恋愛感情があるかってこと?」
「うん、平たく言えば」
そんなふうに直球で聞かれると、愛美の方がなんとなく照れてしまうのだった。
肯定すると、電話の向こうで突然明は吹き出した。
「やだなーあるわけないじゃんか!」
それがあまりにも迷いのないきっぱりとしたものだったから、それ以上突っ込む気もなくなってしまった。
「どんなに顔が良くたって、私生活がだらしなさそうなヤツは好きにはならないな、多分」
「なんだか明ちゃんらしい理由だね」
愛美も釣られて笑いながら言う。
でも、そうとわかっていれば、もっと早くに明に相談することもできたのかもしれない。
そんな後悔が、ちらちらと胸の内を漂った。
それからしばらくは、また思い出話に花を咲かせた。
久々の電話越し、相手から流れてくる情報は新鮮なものばかりだった。
一時間ほど話して電話を切った時、開いたままにしておいた明からのメールが愛美の視界に留まった。
その本文に添付された、彼のEメールアドレスも。