テキストサイズ

《Eternal bells…… 》

第2章 京都

(気まずい…着物でおんぶって…)


結局私はその人におぶられ、帰っている。

(恥ずかしいです……)


「次はどっち行くの?」

「左に曲がって一番奥の門の前です。そこまでで大丈夫です」

道案内しか会話もなく、家の門に到着した。

「ここで大丈夫です」

「玄関まで送るよ、足袋が汚れるから。
入って平気?」

「すみません……門開けて大丈夫です」

男性におぶられ玄関に入ると、叔母が出て来た。

「お帰り、あら!どうしたの?この方はどなた?」

麗美を下ろして頭を下げる男性、、

「私が足を挫いて、草履壊れちゃって。この人が送ってくれたの」

「そうでしたか、ありがとうございました。お名前を聞いてよろしいかしら?」

「萩村と申します」

「萩村さんですか。お礼にお茶でも飲んで行ってくださいな」

「いえ、お気持ちだけ頂きます。生憎、これから用がありまして…それでは失礼します」

「あ、ありがとうございました」

「いえ、それでは失礼します」
フワリと微笑む男性。


深く頭を下げて足早に帰って行った、、、

「ケガはしてないの?…感じの良い人だったわね?」

「そうだね………」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ