《Eternal bells…… 》
第11章 一方通行
惣太は壬生寺に来ていた、、、
境内では子供達が元気に遊んでいる。
「はぁ~~~」
(麗美さん…)
座って溜め息ばかりの惣太。
「総司、溜め息ばかりすると幸せが逃げて行くよ」
眼鏡をかけ、物腰の柔らかい男は惣太の隣に腰かける。
「山南さん…。私は幸せになっちゃいけないのかもしれませんね」
「何故だい……?」
「私は、大切な人の心まで傷つけた…。
私は他人を傷つけ、殺す、ただの人斬りにしかなれないんですよ」
「その大切な人は総司をそんな風に思って無いかもしれないよ…」
「私は、壬生浪士組なのを隠して、名前も嘘をついていたんです…。それに、あんな事まで…」
頭を抱える。
「総司の気持ちに嘘はあったのかな?」
首を大きく横に振る総司…
「総司にも愛しい女性が出来たのか…」
微笑み総司の頭を撫でる。
「さあ、そろそろ帰ろうか。歳君が探していたよ」
「山南さん!もっと早く教えてくださいよ~」
二人は肩を並べて歩いて行った、、、
「麗美様には、二度と近づけないよ…
壬生浪士組 沖田 総司 …」
黒髪を結い上げ、白い着物を着た美しい女は壬生寺を後にした、、、