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《Eternal bells…… 》

第16章 島原とカステラ

戌の月(9月)ー

紅葉が赤く染まり風が冷たくなった頃、、


私はあぐりちゃんと行きつけの甘味屋に来ていた。


「ねぇ、卵はどこで買えるのか知ってる?」

「卵?それなら、島原の近くに卵屋があった筈です♪」
あぐりはぜんざいを頬張る。


(島原か…)

最近、玄瑞さんは島原に泊まる事が多い。翠蓮も仕事で島原にいるし、栄太も忙しそう。
私はあぐりちゃんと一緒に居る事が多かった。


「姉ちゃん逹、俺と楽しい事しねぇ
か?」
笠を被った男が二人に近づく、、

(この声…高杉さん?!)

「お帰りなさーい!」
ーガバッ…スリスリ♪



「良くわかったな!元気だったか?
それと、俺は谷 梅之助だ」

(あの偽名は本当だったんだ…プッ…)


「あの~こちらの方は?」
と、あぐり。

「この人は、栄太の友達の梅之助さん。この子はあぐりちゃん♪」

「麗美の友達か、可愛いじゃねぇか」
笠から顔を覗かせる高杉。

「梅さん、あぐりちゃんは恋仲いる
から無理だよ」
ニヤリッ♪


3人で楽しく話していると…


「こんにちは♪」
ダンダラの羽織を纏った愛次郎さん
登場です。

「こんにちは、麗美さん…」
総司さんも登場です。

高杉は耳打ちする
「壬生狼と知り合いなんか…?」

「色々あってね、後から話すから」
コソコソ話す二人。


(麗美さんに馴れ馴れしいですね…
ムカムカします…)

栄太に挑発されてから、総司は荒れていた。麗美への気持ちがふつふつと湧いて止まらなかった。


「麗美さん、この方は?
お友達ですか?」
と、総司。

「はい、梅之助さんです」
なんか、総司さん機嫌悪い…?

「沖田です」
挑発的な目で高杉を見る。


(こいつ麗美に惚れてるな…
壬生狼の餓鬼が)

「麗美は諦めた方がいいぜ。こいつの男は、死んでも麗美を離さないぞ」


(梅之助め…余計な事を…)


微かに空気が張りつめた…

「好きなのは勝手です」



(なんか空気が…)

「あ!梅さん、私買いたいもの
あるから付き合って。 愛次郎さん!
あぐりちゃんをよろしく。
総司さんもまたね♪」

その場の空気に耐えきれず、高杉の腕を掴んで店を出る。

高杉さんを新選組と近寄らせるのも危ないし…。なんか総司さん雰囲気違ったな…。少し怖かった…どうしたんだろう?

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