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《Eternal bells…… 》

第3章 京

(瞼が重い……)


目を開けると、目の前に坊主頭の人…


(誰……?!!)


ーバサッ

飛び起きて周りを見る。和室に男が3人。現状を理解しかねて、困っていると、

「お、起きた!目を開けたら益々別嬪だにゃ~。おまん、ワシのおなごにしちゃるき!」

私の手をガシッと握りボサボサ頭の人が言う。


(…………は?)

あまりの迫力に少し引いていると、昨日のあの人と目が合う。


「龍馬、いい加減にせんと優しい僕も怒るよ…」

目が笑って無い素敵な笑顔で、握られた私の手から龍馬さん?の手を払いのける。

龍馬さん?を追いやって私の隣に座り、坊主の人も並んで座った。


(冷静に考えなきゃ…
私、襲われて…それでこの人に助けてもらって…目の前で人が斬られて…)

最後の記憶を整理して、私も二人に向き合う。

(とりあえず!)

「あの…助けていただき、ありがとうございました」

(と、お礼を言ったけど…
人を殺した人だよね…)


坊主は言う。
「何処も具合が悪いところは無いんかな?君は2日間も眠っとった。
名前を教えてくれんか?」


「私は、結城 麗美と言います」


「麗美ちゃんか。俺は久坂 玄瑞。君を助けたんが、吉田 栄太郎。そこの隅でいじけとるんが、坂本 龍馬」

(え…?!冗談だよね…?
私がこの前お墓参りした人達が
目の前に?しかも稔麿様?!
そんな筈は無い!
龍馬さんは写真と似てるけど…。
でも…栄太郎さんは人を斬った…
もしかして…)

「い……今、何年ですか?
後、ここの場所を教えて頂きたいです」


「文久2年の丑の月(12月)
ここは京の旅籠だよ。君の家は何処なんかな?」

(ぶんきゅう……文久?!!!)


……ここは幕末のようです………。

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