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《Eternal bells…… 》

第22章 夢の終わり

玄瑞と晋作は迷っていた、、
栄太と同じく、どの屋敷なのか分からなかったのである。


「何処なんだ…?植木だらけじゃねぇか!」
苛つく晋作。

「栄太はこれで麗美を見つけられたのか…?」
不安になる玄瑞。

「だぁぁ!キリがねぇ!一回桂さん所戻るぞ!」
痺れを切らした晋作。



―!!!

(桂の居場所分かるかもしれん!
つけて来て良かったわ…)
と、山崎は思った。


走り出した二人を追おうとすると、、、





月の光を背にした忍が立ちはだかる、、

高い位置で結われた黒髪をさらさらと靡かせ、碧い瞳…。
最後に会った時とは別人の様な翠蓮だった…




(まさかこんなに早く再会するとはな…
翠蓮…)


「…これ以上は行かす訳にはいかない」
鋭い眼差しで言う翠蓮。


「逃がす訳にもいかんねん…」

(やっぱり本物の忍やな…強いわ…)





その瞬間、、、

山崎の周りを甘い香りの風が包んだ…

ーチクッ!

刺す様な痛みと同時に、力が抜ける…

(…俺は阿呆や……)


ーガクッ……ポフ…
膝から崩れ落ちる山崎を翠蓮は支えた。



ー!!!

驚いて翠蓮の顔を見る山崎…
翠蓮の口元を覆う布には見覚えのある華紋…

(!!…じいちゃんと同じ…杏華家か…)

そこで山崎は気を失った…


「丞…次に会った時は雑念は捨てなさい…
敵の前では…」

(それでも…丞に私は救われた…
今回だけは…桂さんごめんなさい…)



「じゃあね…新選組 山崎丞…」

翠蓮は暗闇に消えて行った、、






この日を境に新選組と桂達は、
完全に敵になった。

この頃から府中には次々と長州藩士が
入り始め、少しずつ池田屋事変に向かって行くのであった、、、

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