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《Eternal bells…… 》

第28章 分かれ道

5月に入り池田屋事変まであとひと月、、


梅雨で最近は雨ばかり…
今日も私は算盤がお友達です。

店奥の部屋では大高3兄弟が勉強中で、
いつもと同じように見えるけど…。
数日前から、この長屋に栄太達は出入り
している。一番奥の6畳程の部屋で少人数で、こそこそと何かを話してるみたいだけど…。

私は桝屋の様子を伺えなくなってしま
いました…。
しかも、栄太に桝屋の二階は出入り禁止
令を言い渡されました…。




(あ~…本当に武器弾薬集めてるのかな?
とりあえず、古高さんが捕獲されるのを
阻止すれば事変は起きないから…う~ん…)


ーチャカチャカ…チャカチャカ…
と、算盤を振りながら考え事していたら…



「すまんが、ここに河野さんと
松里さんはおるかの~?」
ニカニカ☆キラリン☆

凄~く!笑顔が眩しいお客様が…。


「あの~…失礼ですが、お名前を
お伺いしても宜しいですか?」
ニコッ♪


「寺石と言えば分かる筈じゃきぃ~」
ニカニカ☆



(寺石さん…?聞いた事ないけど…でも、
どっかで見た事が……)

ー!!!
「なっ…中岡しっ!!…フブッ!」

「お嬢さんとどこかで会うた事
あったかいの~?ニカッ☆」


笑顔で私の口を押さえております…

(そりゃ~もう…貴方の笑顔写真は
有名でしたから~。って、思わず名前
言っちゃうとこだった…)

私の口を押さえている人…それは、
あの中岡慎太郎さん。まさか、本物
のあの笑顔を見れるなんてっ///
私がちゃっかりときめいていたら…



「今日はあの豆大福売り切れちょったき。
みたらしにしたぜ…よ……あ゙ぁ!
おまん!しんっ!!…フゴゴッ!」

いっくんも口を押さえられてます。


「おまん、生きちょったがか~!
なんじゃその頭は!別人みたいじゃ
の~!今わしは寺石じゃき」
ニカッ☆


そして、いっくんと中岡さんは熱い抱擁。
土佐勤王党の人は追われる身だから、
こうやって同志と再会出来る事は難しい。
いっくんは本来なら今頃は、捕まって土佐
に返されて拷問されていたはず…。


(なんか…私まで感動しちゃうよ…)

うるうるしちゃいます…。

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