テキストサイズ

《Eternal bells…… 》

第30章 池田屋事変

桝屋ー



「……ぐが~…ぐが~…がっ…ムニャムニャ…」


「………スヤスヤ…ムニャムニャ…」


新兵衛さんといっくんはご飯を食べて、
店の奥座敷で眠ってしまった。


(ゆっくり寝かせてあげよう…)


急に店を開けないのは不自然だし、
開ける為に昨日荒らされた場所を
片付けていた…。




ーガチャッ…イテッ!…何じゃこれは!…

裏通路から聞こえてきたのは…



ーギィ…パタ


「やっぱり栄太~!!」

ーガバッ…ギュ~ッ

裏通路から出て来た栄太に飛び付いた。


「…お前は馬鹿かっ!!…何で僕に言って
くれんかったっ!!」



栄太に本気で叱られた…
でも、逞しい腕でいつもの様に
優しくきつく抱き締め返してくれる…。



「ごめんなさい……皆を守る一番良い
方法はこれしか無くて…。私はあんまり
頭も良くないし、こんなやり方しか出来
なかったけど…でも…これだけはどうし
ても止めたかったから」


「はぁ~…お前に何かあったら僕は
正気でいられんけぇ…。もうこんな
危ない事するな…頼むから…」


「わかった…。
今日の夜は皆で一緒に泊まりたい。
やっぱり明日の朝までは不安…」


池田屋事変は起きないと思うけど、
忠実では今日の夜に起きる事。
違う形でも誰かが死んでしまった
らという不安はまだ残っていた…。


「裏通路の物はどうする?留守に
するんは危なくないか?今日は僕
もここに泊まるけぇ」


「うん…栄太も一緒ならいい…」

ーギュッ…


「麗美……」


ーチュッ…チュッ…


抱き合い長い口づけを交わす二人…




(明日また来よう…)

そんな二人の姿を見た翠蓮は、
再び藩邸に戻って行った、、





こうして今日は四人で桝屋に泊まる事
になり、無事に6月6日の朝を迎えた…。


栄太や宮部さん、その他大勢の人の
運命を勝手に変えてしまった事は、
決して正しい事ではないと思う。
それでも大切な人達を守りたいから…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ