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《Eternal bells…… 》

第31章 大切なモノを守る為…

空が橙色に染まる頃、、


お咲の部屋の前に笠を被った助五郎と
新兵衛、、


新兵衛は外で待ち、助五郎だけ入って行った…



「お咲居るか…?」


「助さん!来てくれはったん?!
会いたかった」
ーギュ~

「久輔は今日は外せん仕事があるらしい。
久しぶりに俺の相手しないか…?」

妖艶な顔でお咲の首筋を撫でた…


「助さんが居てくれはるならそれで
いい…ウチにはやっぱり助さんしかおらん」

助五郎にピッタリと寄り添う…


「今から少し用事がある…終わり次第
戻るがじゃ。他に客取らんで待っとれ」

ーチュッ…


お咲に口づけを落とし部屋を出た…


(助さん…もしかして久輔はんに嫉妬
してんやろか…?)

まるで久輔も助五郎も自分のものにした
様な気分になり上機嫌なお咲であった。




外に出た助五郎は再び新兵衛と歩き出す…
二人は妖しく微笑み町に消えて行く…。


ーーー


そして空が暗くなった頃…遠くに祇園祭
のお囃子が聞こえる暗い路地を千鳥足で
歩く一人の男…その後ろから笠を被った
二人が静かに近づいて行く…


そして…



ーガッ!…チャキ…

「………っ!!」

男は後ろから羽交い締めにされ、
喉元には鋭い刃を突き付けられた。

「お咲から預かったもんがあるじゃろ?」

と、羽交い締めにした助五郎が囁く…


「…し、知らん!」


「知らんのか…?じゃあ死ね。
この男の刀は斬れ味良いけのぉ~」


そして新兵衛が刀を振り上げると…


「ふ、懐に入ってる!」

簡単に白状した男…


ーゴソッ…カサカサ…

新兵衛は男の懐から紙を取りだし開く…

「これだ…ニヤッ…」


助五郎が男を解放した…と同時に



ーブシュッ…ドサッ…

男の首が無くなり身体が崩れ落ちた…


新兵衛は提灯の火で紙を燃やす…


「次はあいつだ…」


男の亡骸を隅に追いやり二人は再び
夜の闇に紛れて行った、、

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