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《Eternal bells…… 》

第7章 稔麿様

年明けから、私の気持ちは沈んだままだった。
あの日の夢は私がまだ、幕末に来る前から知っていた事…

栄太や玄瑞さんが、天誅と称した暗
殺に加わっていた事。

そして…池田屋事変で、新撰組に討ち入られ、最期は藩邸の壁に凭れ自決する…。


きっと私が何もしなくても、歴史は流れ明治維新を迎えるはず。
いや、歴史は変えてはいけないのかもしれない…


栄太、玄瑞さん、高杉さん達は維新を見ずにこの世を去る…
私は耐えられるのだろうか…。



『生きて欲しい……』



歴史を変える事で、全て変わってしまうかもしれない。幕府、朝廷、開国派、攘夷、、思想や陰謀だらけの世の中を、無力な私がどうにか出来ない事は分かってる。

でも、せめて…栄太達だけは死なせたく無い。



私が心に決めたのは、2月半ばを過ぎた頃だった…。

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