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《Eternal bells…… 》

第9章 塾頭と下級武士

藩邸ーーーー

「栄太郎君、元気そうで良かった。江戸での活躍は聞いとったぞ」

「大野様も、お元気そうで何よりです」


大野の隣には、娘のおたつが頬を赤らめ座っている…

「京には仕事で来たんじゃが、おたつが、どうしても君に早く会いたいと申してな。子供の頃から、君を慕っておったそうだ」

「はあ…しかし、私はまだ未熟故、婚姻などは考えておりません」
栄太郎は頭を下げる。

「まあまあ、近いうちに帰国されるそうだな。その時に婚姻の話は進めよう。
儂とおたつも栄太郎君の帰国時に、一緒に発つとしよう。出発はいつだね?」

「二日後です…」

「それでは、明日はおたつに京の町を案内してはくれないか?おたつは京は初めてだ。よろしく頼んだぞ」

「………はい」

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