《Eternal bells…… 》
第9章 塾頭と下級武士
栄太は母親からの文を読んでいた…
『栄太郎
いつも栄太からの文を楽しみにしています。
綺麗なお人形と風車をありがとう。房(ふさ)が大変喜び、作ってくれた麗美さんに会いたいと毎日話していますよ。
栄太に好きな人が出来た事を嬉しく思っています。
栄太、謝らなくてはいけない事があります。隣家の大野様のお嬢さん、おたつさんと栄太の婚姻を申し込まれました。
我が家は、大野家にはお世話になり、私もお父様も直ぐにお断りする事が出来ませんでした。
ごめんなさい…。
大野様とお嬢さんは京に向かうとの事。
栄太、私達は貴方の幸せを祈っています。私達の事は気にせず、自分の幸せを選んでください。頼り無い親でごめんなさい。
帰国された時は、逞しくなったあなたにに会えるのを楽しみにしています。
母より』
(僕は…どうすればいい…)
ースパンッ!
「栄太!今すぐ藩邸に来いっ!」
焦った様子の玄瑞。
「何があった?」
「お前に客だ……」
栄太は意味を理解した……