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《Eternal bells…… 》

第9章 塾頭と下級武士

出発の朝、、、


麗美は、一睡も出来ずにいた。


(笑顔で見送ってあげなくちゃね…
栄太が幸せなら…それで充分)


ギュッと御守りを握りしめ、玄関へ向かう、、、


「玄瑞さん。おはよう♪
栄太はまだ?」

目を腫らした麗美を見て、驚いた玄瑞。

「麗美ちゃん、その目どうした?」


(まだ、腫れ引いてなかったんだ…)

「少し、体調が悪いだけだよ。大丈夫♪」

麗美は誤魔化すが、玄瑞はそんなに甘く無い。

「栄太と何かあったんか?!」
顔つきが変わる玄瑞。


その時、栄太が出て来た、、、


「栄太。気をつけて行ってらっしゃい♪これ、御守り♪」
腫れた目で無理に笑う。

「ありがとう……」

(何でそんな顔するんだよ…)
昨日の光景を思い出す…
ーズキンッ



「おめでとう栄太……良かったね♪」
泣きそうな顔で笑う…

「あ…それは『あっ!もう、お店行かなきゃ!じゃあね、栄太』

麗美は走って行ってしまった…。

「行ってこい。麗美ちゃんの事は、帰って来て自分でどうにかしろ」
ーバシッ
背中を叩く。





そして、、
栄太は長州へ発って行った、、、

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