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第12章 快楽授業
「僕が保健室まで運ぶよ」
次、自習になったから。
そういって足を屈めた爽真へ、遥は鋭い視線を向ける。
「いりません。私が運ぶんで」
「いいや、僕が運ぼう。遥ちゃん女の子なんだから」
「こんなちっさいの、私でも運べますって。それに男女差別はいただけません」
あからさまにイラついている口調の遥に対し、爽真は依然笑顔で「じゃあ、きみの授業態度のために僕がやるよ。これなら男女平等だろ?」と言って素早く悠理を抱き上げた。
周囲の女子の羨む視線を浴びている当の悠理は、意識がおぼろげなのかただ荒い呼吸を繰り返している。
「それとも、そこまでして僕に任せられない理由でもあるの?」
少し意地悪げなものを含んだその問いに、遥は両手を握りしめて爽真を睨んだ。
「もう、いい……っ」
「そう。よかった」
そう満足げに微笑んだ爽真は、じゃあねと言って遥たちの教室を後にした。