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第1章 恥辱のプロローグ

 八桐悠理(やぎりゆうり)の頭の中では「死ね」という言葉が乱舞していた。

 他に湧き出てくる感情や快楽を抑え込むように、ただただ憤りの言葉を浮かべ続けていた。

 目の前で意地の悪い笑みを浮かべ続けている優男をどうにかしたい、悠々とソファで足を組んでいるこいつを蹴り飛ばしたい。

 そう心の中で爆ぜてしまいそうなほどに激しく怒りながらも、猿ぐつわをされている状態では何の罵声も吐くことができなかった。

 だからこそ悠理は、結局その男子生徒を睨み付けることしかできず、結果何の解決もできないでいる。

 けたたましい動悸を押さえながら酷い羞恥と憎悪に耐えていると、不意に男子生徒――深槻爽真(みつきそうま)が立ち上がって口角を上げた。

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