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第1章 恥辱のプロローグ

「そろそろ苦しくなってきたんじゃない?」


 長いまつ毛に縁どられた瞳を細め、爽真は様子を窺うように小さく首をかしげた。

 すると同時にさらりと流れる艶やかな黒髪が、目鼻立ちの整った顔を僅かに隠す。

 普通ならば息をのむだろうその仕草にも、悠理は嫌悪感しか抱けなかった。

 何しろかれこれ30分間、彼女は両手を後ろで拘束されたまま木椅子に固定されているのだ。

 両足も椅子の脚に縛り付けられ、身動きをとることすらままならないこの状況――それを作り出したのは紛れもなく爽真だった。


「ああ、言っておくけどその姿勢がつらいって意味じゃないからね」


 気づいてるでしょ?
 そう言いたげに微笑む爽真に、悠理は再度「死ね」と頭の中で呟いた。

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