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第4章 脅迫と強要
「そうそう。僕さ、悠理ちゃんにふたつ謝らないといけないことがあるんだよね」
そう言いながらも全く悪びれていない様子に、悠理は怒りを通り越して恐怖を感じた。
例えば、彼女は笑顔で平然と人を殺す殺し屋を知っている。優しげに他人の情報を売り渡す情報屋を知っている。理不尽に金属バットを振りかざす便利屋を知っている。
しかし、それはすべて舞台裏、社会の裏に生きる人種の話だ。
決して表に出てきてはいけない人間の話だ。
――それなのにこの人は、生徒会長なんてものをやってる……。
悠理がただの一般生徒として通っているのとでは、彼女にとって全く異なる話だった。
そんな人間が社会の表も表にいるだなんて、ありえてはいけないことなのだ。