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第5章 戌原西地区の殺し屋
――いや、今はそんな場合じゃなくて……。
自分の迷いを払うように頭を振ってから、悠理は自分で爽真を追い詰めるしかないという結論に至った。
――モノならいくらでも、店にあるんだから。
そうして具体的な方法を考えようと、とある公園の前に差し掛かった時だった。
「やっほーユーリちゃーん」
如何にも軽薄そうな声で名前を呼ばれ、悠理は心当たりのある顔を思い浮かべながらそちらに振り向いた。
声の主は公園のブランコに座っていた。
暗闇の中で蛍光灯に照らされながらヘラヘラと気の抜けた笑顔で悠理に手を振っている。
予想通りの相手に悠理は息をつき、その足元を見てもう一度ため息をついた。
その知り合いの足もとには、血塗れの惨殺死体が転がっていた。