テキストサイズ

鬼畜の復讐

第2章 遺言


ICレコーダーから、篠原隆之の声が聞こえてきた。

「このレコーダーを聴いているということは、真一郎…俺の頼みを聞いてくれたってことだな。ありがとう…真一郎…そして…聞いているな?やよいに父さん…始めにいっておくよ…これは、復讐さ。やよい、父さん」

「(復讐ですって!?)」
栗原やよいは、怪訝な顔をし、父親浩は、俄に落ち着きがなくなる。

「やよい…俺はお前を愛していたよ…こころからね…結婚して、親父やお袋とも折り合ってくれて…二世帯住宅も建てる事が出来て幸せだった。だが、君は俺を裏切った」

やよいは背筋に冷たいものが走った。
「(まさか、知っていたの!!)」

「家を建ててすぐ…お袋が急逝して…ショックだったな…その後か?親父と男と女の関係になったのは?」

やよいと浩は、蒼白となった。

「まさか、妻を父さんに寝とられるとは思いもしなかったよ…」

「何故…バレていたんだ…」
父親の篠原浩が呟いた。

「何故、やよいと親父の関係がわかったのかは、後で話すとして…すまん…真一郎…体調が優れない…一度切って、二人にDVDの1をみせてやってくれ」

まるで、ここに隆之がいるかのようだ。
私は一度レコーダーを切り、持参したDVDプレイヤーに1とレーベルの書かれたDVDをセットした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ