鬼畜の復讐
第2章 遺言
「これが、篠原から預かったモノです」
私は茶封筒を栗原やよいと隆之の父親、篠原浩に差し出す。
二人は当然不機嫌で、憎悪と怒りの眼差しを私に向け、茶封筒を受け取った。
「こんなものが、何だっていうのよ。白々しい懺悔の言葉とか言い訳とかがしてあるわけ?」
私は生前の篠原の指示通りに、二人に茶封筒をその場で開けるように促した。
栗原やよいは訝りながらも、茶封筒を開け、中身を取り出した。
ICレコーダーに、五枚のDVD、一通の封筒が 出てきた。
それぞれに、1、2、3と番号がふられている。
「何よこれ」
待ち合わせたのは、人目を気にしなくてすむように、ホテルの部屋。
「番号順にということですよ、栗原さん」
やよいは、面倒くさそうにICレコーダーのスイッチを押した。
これから、自分が青ざめるともしらずに…