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All Arounder

第26章 Encounter



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「───って、まぁこんな感じかなー…」




井上はトサッと背もたれにもたれた




『…』




「…どうだった、姫ちゃん?」




姫は黙ったまま俯いた




…すねた?





「とりあえずこんなことは忘れちゃってさ、チューでもしよっかー///」




と、姫の体を抱き寄せようとしたとき
扉が勢いよく開いた




「…!!?」




驚いて見てみると、扉を開けたのは大志


しかも汗だくだった





「よ…よー、お帰り…」




井上がそう言うと、大志は買物袋を落とし、ガクッと地面に手をついた




「ど、どーした…!?」




慌てて大志に駆け寄り、様子をみる





「か…」




「か?」





「買い物中に…だるまと遭遇した…」





うわ

お疲れ様





「マジありえねぇよ…あいつ全速力で追いかけてきやがって…こっちは荷物まであんのに…」




大志は汗を拭いながら、床に腰を下ろした





「災難だったな、そんで買い出しご苦労」




「ああ…追加料金払ってほしいくれぇだ…」





そして大志は姫が座っているのを見ると、ニカッと笑った





「姫、シチューは濃いめか薄めかどっちが好きだ?」





『…』




姫は横目でちらっと大志を見た



しかしすぐにそっぽを向く





「?」




大志は姫の元へ寄り、もう一度聞こうとした




「姫?シチューは…」




『女垂らし』





「…」















え?




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