All Arounder
第37章 Suggestion
その後、井上は小泉と合流した
「いやー、ごめんね井上君。千堂の馬鹿がしくじっちゃったみたいで、金が入らなかったよ」
悪びれる様子もなく小泉が笑うと、井上は舌打ちした
「別に…最初っから5000万なんて大金、期待してなかったし…」
「お詫びと言っちゃなんだけど…今夜飲みに行こ」
「は?」
思っていたよりも小泉は親しみやすい男で
何度か飲み食いを共にするうちに、友達のような存在になっていた
「井上、今度アミューズメントパークがオープンするとき、花火が上がるらしいよ?
けど、なんかそこで変な事件が起こってるんだって。
見に行かない?」
「へー、俺は遠慮し…」
と断りかけた井上を、小泉は無理矢理引っ張っていった
アミューズメントパーク、という屋内遊園地は
変な犯罪集団に占領されていた
どんな展開だ?
と思うかもしれないが、実際のことだ
受け止めるしかない
井上と小泉は、パークの外に群がる野次馬の中にいた
最初は見物するだけのつもりだったが、いつの間にやら小泉の姿がなくなっていた
「…あんにゃろー…」
勝手にどっか行きやがって…