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All Arounder

第37章 Suggestion





「―――結局…俺も小泉も、そのアミューズメントパークでの事件に首を突っ込んじまった」



「おかげで俺、死にかけたしね」




『(何があったんだろ…?)』





外で鳴いていた蝉の声が、ふと止まった



一気に、本堂の中は静かだったんだと気づかされる







「その事件のあとから…だったっけな。
それっきり、俺と小泉は会わなくなった」




『何で?』



姫が尋ねると、小泉が答えた




「何でかなぁ…多分お互い、相手に干渉しない方がいいんじゃないかって悟ったんじゃない?」



姫が頷くと、小泉は続けた




「で、この前久しぶりに井上が訪ねてくれたんだ。"俺ん家にいる居候の二人を預かってくれないか?"ってね」




「…その二人が俺と姫ってか?」




「ああ」











そこで話がひと区切りしたのか、誰も口を開こうとはしなかった















ぐぅぅ…










「…」


「…今の姫ちゃん?」





『…///』




姫は顔を真っ赤にさせ、自分のお腹を抱えたまま前のめりになった




「やっぱ姫ちゃんか、食いしん坊だね」




『だ…だって…///』




「仕方ねーよ、もう12時回ってんだから」





井上は時計を確認して言った












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