All Arounder
第38章 My Heart Beating
大志は結局、姫を縛っていたロープを外した
普通に腹周りを縛っただけであんあん言うんじゃねぇよ!!
『ん…///』
また隅へ帰っていく大志の後を、姫はついて来た
大志が座ると、姫も座ってくる
『大志…』
「あ?」
『あたしのこと…嫌い…?』
うわ…その涙目やめろ…///
「…ううん」
『じゃあどーして…何もしてくんないの?』
「…オレは…」
姫の顔は、ほてりのせいで赤く染まっていた
そんな頬を、大志はそっと撫でる
「オレは…もっと普通な姫を襲いてぇ…///」
髪をすくと、指の隙間からサラサラとこぼれ落ちる
「そんな薬品嗅いだ姫より…いつもの…いつもの姫がいい…///」
『…///』
姫の目の色が、少し変わった気がした
さっきまではおぼろげだった色が
はっきりと見えてきた
『大志…///』
薬品の効力は、それが効きはじめてから
男に10年
女に…
『大…志…///』
…10分…