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「…何やの…？」



葵はこっちを向くこともなく、そのまま返事した




「寒くねーか？」




「…平気や」




そうは言うが、やはり体は震えている



井上は体を起こし、自分が被っていた毛布を葵の方に放り投げた



体に毛布が被さり、驚いて井上の方を振り返る



「だ…から、ええって、あんた被っときぃよ」




葵は、毛布を丸めて井上に投げ返す




「馬鹿、女は体冷やしちゃいけねーんだよ」



手に取った毛布を、もう一度葵に投げつける




「客は主人のおもてなしを聞いとけばいいねん!!」




「主人とか態度でけーな、いいから被っとけよ!!」




「いいって言うてるやろ!!」




「被れ!!」




毛布は、右に左に飛び交った



しばらくそれが続き、とうとう葵は毛布を抱えて井上の前まで歩いた




「いらんって何べん言うたらわかんねんアホ!!」



バシッと、真上から毛布を投げつけた




「…おい」

「さっさと被りぃ!!」




「…」




井上は渋々毛布を広げ、自分の足元へ掛ける



それをしっかり見届けた葵は、また元の位置へ戻ろうとした





が、いきなり手首を掴まれ、引っ張り込まれた